2021年度秋学期に国際学部国際地域学科のフィールド実習科目として「SFS能登」が開講された。コロナ禍のため実習地受入先の要請で受講希望者の中から16名の学生が選考された。
この授業の目的は、少子高齢化を背景に人口流出がすすむ過疎地の現状を把握し課題の発見と解決策を考察することを目的とする。そのために限界集落化がすすむ地域に滞在し調査を実施する。具体的には地域の会所となっている浄土真宗の寺、安成寺に滞在し「報恩講」(11月22日〜28日)に参加し、住職、坊守、門徒、寺が所在する地域(鵜野屋、地保)の住民に対するインタビュー、ドキュメント収集等による質的データの収集を通して課題発見、解決策の考察を行った。
フィールドワーク実施期間は、報恩講期間に移動期間を加えて2021年11月20日(土)〜29日(月)(安成寺報恩講期間+移動)となった。
研究成果についてはWebex Meetingsを介して安成寺と学生をつないで2022年1月26日に成果報告会として開催した。コメンテーターとして能登定住交流機構理事長、(株)ぶなの森職員、金沢大学教官らを招いた。
なお新型コロナウイルス対策として、ワクチン接種、PCR検査、マスク着用等を行い実施。
(写真)報恩講の準備
<学生の感想>
私がこのSFS能登に参加した一番の所感としては、常に心が温かいと感じられた事が挙げられる。都会では人と人との繋がりというのがどこか軽薄であるのに対し、住職や坊守をはじめ、地域の方々全員が温かく家族のように受け入れてくれたことで心の温かさを感じることが出来た。研修における学びとしては、現場に入り地域住民の実情や地域資源を知るといった事は、地域が抱える問題を解決するにあたり大変重要であると改めて実感した。第一に問題意識や目指すべき姿の部分でデベロッパーと地域住民の間で差異が生じていることもある。そして、地域開発において重要な地域資源の再発見というのも、現場に入るからこそ可能であると感じられた。コロナ禍という厳しい状況の中でも、受け容れてくださった方々には感謝の気持ちで一杯であり、また「ただいま」と元気よく顔を見せに行きたい。
国際学部国際地域学科2年 菅原巧輝
不運なことに私は研修が始まる前日に体調を壊してしまい、楽しみにしていた能登研修に参加することができなかった。しかしながら、グループメンバーから能登へ行ったことで感じた魅力をたくさん吸収できたおかげで実際に現地へ行かなくとも地元住民の方々の人情味の良さを間接的に感じることができた。また、門徒さんの講話を画面越しから聞いていて、人生は穏やかに無理せずに生きることが大切だということ、また人生は「ルーティン」の繰り返しであり、繰り返すことで得がつくという話が私の中で特に印象に残り、今後の人生を考える上で重要にしたいと思った。私自身能登は前々から行きたかった場所の一つであったが今回の研修では残念ながら訪れることは叶わなかった。しかし、学生のうちに一度は能登へ行きその魅力を存分に肌で感じ取りたい。
国際学部国際地域学科2年 関澄愛哉
後日学生による研究報告書アップ予定!
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