ムンド・デ・アレグレア ~日本語での授業~ (銭誠)

ブラジル三年生授業実習として、算数と漢字を教えました。
算数の授業では、算数の内容よりも日本語に苦しんでいる生徒さんが多い印象を受けました。日本語を使って算数を教えている時に、生徒さんは計算方法は理解している様子でしたが、日本語を理解していないようでした。日本語が分からない生徒さんのために授業を中断してしまうと、日本語を理解している他の生徒さんの授業も中断することになってしまうので、個人的に日本語の分からない生徒さんにはゆっくりと書いて教えるという方法を取りました。また、早く問題を解けた生徒さんには折り紙をあげるということで授業に集中してもらおうと考えましたが、実際は生徒さんの気が散ってしまっているということに、日本とブラジルの間に差を感じました。
教えるということはとても難しく、言語を使わなくても説明できる方法や、算数の初心者に対する教え方など、きちんと生徒さんに合った方法で授業をしなければならないという想定をするところが不足していたと感じました。
「教える」ということは、いろいろな場面でこれからも直面する機会があると思うので、この経験で感じた点や改善すべき点は、「人に教える機会」で生かしていきたいと思いました。また、先生ではない私たちを先生として教壇に立たせてくださる機会をいただけたことに感謝しています。
漢字の授業は、復習だと聞いていたのですが、授業のレベルを誤ってしまったため、授業の進捗が早くなってしまいました。しかし、後半になると生徒さんの性格や授業ペース、得意不得意をある程度把握することができたので、40分の授業をなんとかこなすことができました。その中でもポイントとなったのが漢字当てゲームのグループ分けで、バランスよくグループを分けることができたので、各チームのモチベーション維持やフロー状態に持ち込む助けとなったと思います。事前事後の厳しい反省会により、教育者としてのステップを踏み出すことができたと思います。
また、子供相手にどのように話せばいいのか、どのように教えるかということに対して自信がありませんでしたし、誤解によって前夜に準備したものが本来の目的と異なっていたりしたため、15分前に企画をし直さなければならなくなりましたが、いざ教える時には生徒さんが明るく授業に乗ってくれて安心しました。安心したことにより、前日に観察していたことを思い出すことができたため、初めて授業を行った身としては今回の授業指導体験は満足できるものとなりました。
授業実習について、全体的に準備があまり十分ではなかったという意見が多かったです。また、準備は十分であったと思いますが、別の観点からの考えをもっと考慮しておくべきであったと思います。また、授業に対する要求については事前に詳しく教えてもらってからしっかりとした準備がしたいと思うという意見もありました。また、たとえ十分な準備をしても生徒さん達のことを思いやり、授業を組む必要があったため、十分であることはなかったという意見もありました。さらに、メンバー全員が集まり話し合う時間が確保できず、メンバーの協力体制がうまくいかなかったため、交流会の進行がスムーズにいかなかったという意見もありました。メンバー全員で細かい部分まで話し合い、各自の役割をしっかりと把握するべきであったと思います。
最後に、授業実習は反省点も踏まえ、有意義であったという意見が多かったです。
交流実習、授業実習で、日系ブラジル人・ペルー人の子供たちの日本語レベルが生徒によってバラバラであることが分かりました。日本語ができる子は日本の子供とさほど変わらずに授業を受けることができていましたが、日本語をほぼ理解できない子はたとえ学習意欲や知識があっても授業についていけません。このように日本語レベルが多様である環境の中で全員が同じ授業を受けるのは酷であるとも思いました。このように、実習を通じて実際に現場に入らないと分からない沢山の発見がありました。


We taught the Brazil 3rd grade students math and Kanji as our teaching practice.
In the math lesson, we thought that many students are in trouble with Japanese language rather than contents of math. When we taught them math in Japanese, it seemed that they only understood the calculation method. However, if we stopped for those who can’t understand Japanese, students who understand Japanese will have to stop, too. Thus, we decided to teach those who can’t speak Japanese slowly one by one. On the other hand, we gave origami to those who can solve puzzle quickly to make them concentrate on this lesson. Even though, we don’t think they were fully concentrate on this lesson. Maybe that is the deference between Japan and Brazil.
We concluded that teaching is very hard, also we didn’t fully prepare for this lesson.
We thought that this was a very precious chance to learn how to teach and gain experiences. Also, it is a great honor to have this chance to be a teacher for every one of us.
About the Kanji lesson, at first, we were told to review with students. However, the students had already done this. So, the process proceeded faster than expected. In the latter half of this lesson, because we had a good view of students’ Personality and teaching pace, we accomplished the 40minutes’ lesson. I think the important point for Kanji game is to separate team wisely so that students can keep their motivation and we can follow them at the same time. After reviewing this lesson, I think we took step as educators.
Also. We were not confident in how to communicate with children and how to teach them. Moreover, we misunderstood the guidelines for the class next day, we only had 15minutes to fix the teaching plan for the class. Despite that we did the plan in a rush, it was a relief to see all the students enjoyed the class. We were satisfied with the result.
We have two opinions broadly about practical training at Japanese-Brazilians. First, many classmates said that we did not have enough time to prepare the class. Second, we prepared the class properly in advance, but we did not expedite the class well because of unexpected incidents,
At last, many of us agreed that this teaching experience was very meaningful. Because the Japanese level of those students were not the same, some students can take the class as Japanese students while some students cannot. For this reason, we think it is not proper for all the students having the same lesson regardless their Japanese level. At last, we all agreed that we still learned a lot through this teaching experience.